タマキビ、アラレタマキビ、マルウズラタマキビの飼育方法を記載する。
タマキビの仲間は磯の潮間帯や潮上帯や河口などに棲息する。
岩の隙間やコンクリート壁の側面や流木の上などを探すと見つかる。
採集した貝は蓋のある容器やビニール袋に入れて持ち帰る。
移動が短時間であれば容器に水は不要。
現地の海水をペットボトル数本分、持ち帰ると安心。
貝を持ち帰る時は肉食の生物と一緒にしないこと。
タマキビ貝は恰好の餌食でありすぐに食べられる。
特にアラムシロやイソニナやイボニシなどの肉食貝に注意する。
・水槽 - 円柱状のプラスチック容器にラップでフタをして輪ゴムで留める
・海水 - 水深は 2 センチ程で浅くする
・飾り - 石やカキ殻で陸地を作る (下に滑り留めを敷くとよい)
筆者は百円均一店の筒状の金魚鉢を使って居るが何でも良い。
容器の口が広いと世話や観察がしやすい。
通気性はあまり気にしなくてよいが心配なら蓋に穴をあける。
底砂は敷かない (掃除がしづらくなる、小さな個体が埋もれるなどの懸念があるため)
餌は乾燥ワカメやヒジキを真水で戻して陸地や壁に張り付ける。
(マルウズラタマキビは固いものを食べられないので焼き海苔を餌にする)
貝が餌を食べることを確認し、食べなければ餌の種類や置き方を工夫する。
逆さになって動けなくなった貝は必ず起こしてあげること。
水温はなるべく摂氏 30 度未満に保つ。
換水は週に二回、全ての水を交換する。
貝はあまり動かないため飼育者は貝が弱ったことに気づきにくい。
日頃から貝の様子をよく観察して異常があればすぐに対処することが大切。
海水は汲んだ水をそのまま使用するか少しだけ真水で薄める。
蒸発すると塩分が濃くなるため塩分は薄い位が丁度良い。
筆者は海水に対して一割から三割ほどの真水を足して居る。
人工海水は試したことがないが問題なく使用できるはず。
(参考情報 - 飼育水は天然海水と人工海水のミックス。)
殻の口を粘液で壁に固定して蓋を閉めて眠ることがある。
野生では夏の熱い時に殻を起し「つま先立ち」「逆立ち」の様な姿勢で熱から逃れる。
他のタマキビの這った後を辿る習性があるらしい。
イシダタミ貝などは他の貝に乗られると殻を振り回して抵抗することが多い。
タマキビは抵抗することがほぼない。
ウミニナ、ホソウミニナはタマキビと同じ方法で飼育できる。
容器の底に沈んだ食べ残しや糞を食べてくれるのでタマキビと同居させるのに良い。
ウミニナと名前の似たイソニナは肉食であり同居できないため注意すること。
タマキビ・アラレタマキビ・スガイ・イシダタミのエサ(番外編もアリ)
『瀬戸内海の小さな生き物たち』目次
更新 令和七年一〇月六日