タマキビ貝の飼育方法を紹介します。
ここで対象とするタマキビの仲間は、次の様な、磯でよく見られる種類です。
タマキビ貝がよく見られる場所は「海と陸の境目」です。
貝を海水に落とすと、すぐに動き初め、壁を上り、大抵は水から上がります。
タマキビ貝を肉食の貝 (アラムシロ、イソニナ、イボニシなど) と一緒にしてはいけません。恰好の餌食であり、すぐに食べられます。
直径十センチ、高さ十五センチ程の容器で十個体のタマキビ貝を飼育中です。
タマキビ貝は狭いところに群れて暮すためか、個体の密度は問題にならない様です。
脱走しやすいため、容器にはフタが必要です。餌やりなどの際に空気が交換されるため、普段は密閉でも問題ありませんが、水温が高い時は密閉しない方が良いです。
岩がガタガタする時は砂利や小石を敷くと安定します。そして水質改善も期待できます。ただし、粒が細かいと貝が歩きにくくなり、粒が荒いと貝が隙間に落ちて動けなくなります。慣れないうちは砂利無しでも問題ありません。
貝を長生きさせるためには、異常があった時すぐ対応すること重要です。貝はあまり動かないことがあり、弱ったとしてもすぐに気づけません。普段から様子を観察するくせをつけることが、貝の生存に繋がります。
実際、タマキビ貝は様々な物を食べます。意外なことに、キュウリも食べました。
餌を食べる時はカリカリと音を鳴らすことがあります。
タマキビ貝には特徴的な行動があります。
貝を攻撃しない生物は同居できますが、大抵の生物はタマキビ貝より繊細であり、同居する生物に合せて飼育環境を調整する必要があります。
タマキビ貝と近い場所に棲むイシダダミ貝・スガイは同居可能ですが、タマキビに合せた環境では数ヶ月で死亡することが多いため、同居より先に単独で飼育する方法を確立したところです。
汽水域に済むウミニナ・ホソウミニナはタマキビと同じ方法で飼育できる上、容器の底に沈んだ食べ残しや糞を食べてくれます。
同じく汽水域に済むアマガイも同居できます。人からの餌を食べませんが、容器の「ぬめり」を食べる様です。
ウミニナと名前の似た「イソニナ」は肉食なため同居させられません。
汽水域の巻貝は、海水を九割、真水を一割ほど混ぜて汽水にすると元気になります。タマキビの仲間も汽水で飼育できますが、長期的な影響はまだわかりません。