マルウズラタマキビ (丸鶉玉黍、マルウヅラタマキビ) を紹介します。
瀬戸内海周辺では海岸や河口付近等で見られます。海は海でもすぐそばに草や木の見られる様な所に多い気がします。アラレタマキビや「普通の」タマキビと比べて棲息地が局所的であると感じますが、慣れれば簡単にみつけられるはずです。
野生では二個体が一緒に居ることが多いです。繁殖と関係があるかもしれません。
マルウズラタマキビを最初に見た時はタマキビの仲間とわからず「変な巻貝が居た」と感じました。それもその筈、本種の属する「ウズラタマキビ属」は南方に様々な種が棲息し、樹上で暮す種も存在する模様です。マルウズラタマキビは本州に居ながら南国らしい雰囲気を感じさせてくれます。
マルウズラタマキビは生物飼育をしたい人におすすめの巻貝です。
恐らく採取できる環境がある限りはマルウズラタマキビを飼育するつもりです。それ程好きな巻貝であります。
最初の個体は平成六年の春に海で偶然一個体だけみつけました。イソギンチャクと同居させるために肉食でない巻貝を探した時の出来事です。
その貝が何の種類であるかわかりませんでしたが、水槽に入れるとすぐに脱走したことからそれでタマキビの仲間だと気づいて web で検索して、マルウズラタマキビであることがわかりました。よく知られたタマキビと印象が異なるため少し驚きました。
愚かなことに当時は巻貝の飼育方法をよく知らず、海で採った適当な海藻と一緒に容器に入れて殆ど放置するだけの飼育を続けました。当然長生きするわけがなく、その個体はしばらくして動かなくなりました。きちんと飼育しなかつたことに後悔しました。
最初の一個体の死亡後にマルウズラタマキビを探し求めましたが中々みつかりませんでした。平成六年の初夏に始めて観察した場所で、マルウズラタマキビを大量にみつけました。雨が降り始めたため急いで三個体を連れて帰りました。
大きさが異なることから「ダイ」「チュウ」「ショウ」と名付けました。その三個体はこれを書いた現在も飼育を継続中です。
この頃から餌やりや健康状態の管理をきちんとしました。すると最初の個体の様にすぐに死亡することなく元気で居てくれました。
少し後で追加で黒い個体を連れてきました。こちらは同年秋に突然死しました。気温の急変が原因かもしれません。
更にその後で三個体を連れてきました。今までの個体と離れた地域の出身ですが、特に喧嘩する様子はありません。こちらも現在飼育中です。