ウミニナの仲間

ウミニナ (海蜷)、ホソウミニナ (細海蜷) はよく似た種類であり区別も難しい。
まとめてウミニナの仲間として紹介する。

[恐らくウミニナ1] [恐らくウミニナ2]
(飼育個体、これは恐らくウミニナ)

・殻の高さは 二〇ミリメートルから三〇ミリメートル程
・殻の色は白色、灰色、褐色等で模様は縞模様から石畳状まで樣々
・軟体は小さく黄色味を帯びる
・全体的な形はカワニナに似る

本種は河口や干潟に棲息する。
干潮時の砂の上で容易に発見できる。

歩く時は先に体だけを進めた後で殻を前方に引き寄せる。
干潮の河口では砂の上に長い筋状の足跡が残る。
狭い場所に密集することもある。

飼育した感想

筆者はウミニナの仲間をタマキビ貝と一緒に飼育して居る。
ウミニナの仲間は丈夫であり飼育する上で心配することは少ない。
それでも長生きさせるには一個体づつ、よく観察することが重要。

海藻の他、砂の中の有機物を好んで食べる様に見える。
飼育下では砂利に口を突っ込む様子を観察できる。

意外と力持ち。
ゾウの鼻みたいな口元を使って自分の体ほどの小石を押し退けることがある。

スイッチが入るとゴソゴソと動き回るが、蓋を閉めて眠る事が多く、一度眠ると中々起きない。

殻を引き摺って歩くため岩の上を歩く時にカラカラと音が鳴る。

容器の底の方に居ることが多いが、壁や天井に登ることもある。

吸着力が弱いため時々高いところから落ちる。
砂利の隙間などに突き刺さり動けなくなる事がある。
その時は人の手で元に戻す必要がある。

参考情報

ウミニナについてはこちら。

ウミニナ | 軟体 | 市場魚貝類図鑑
ウミニナ | 水俣学研究センター|熊本学園大学
ウミニナ|貝のなかま|浦安水辺の生き物図鑑
ウミニナ, Batillaria multiformis (Lischke, 1869)
北限の生息地陸奥湾に暮らす希少な巻貝 ウミニナの生態を解明 ~青森県むつ市立川内小学校との研究が国際誌に掲載~|2022年度|国立環境研究所
準絶滅危惧種の巻貝「ウミニナ」の北限の生態を解明 | つくばサイエンスニュース

ホソウミニナについてはこちら。

ホソウミニナ | 軟体 | 市場魚貝類図鑑
ホソウミニナ|貝のなかま|浦安水辺の生き物図鑑
ホソウミニナ, Batillaria cumingii (Crosse, 1862)

奥付

『瀬戸内海の小さな生き物たち』目次
更新 令和七年十一月五日