w3m (テキストブラウザー)

概要

w3m は text based な視覺系の user agent です (所謂、テキストブラウザ)。

次の樣な特徴を持ちます。

w3m の使用方法などは、w3m manual を先に參照してください。

本記事の内容は原則、w3m の設定を變更する前の狀態を前提とします

使用方法

CLIから起動する

w3m は CLI から起動します。option として-v を指定すると、w3m の「start up page」が表示されます。

$ w3m -v

また、表示したい URL または PC に保存された文書の場處を指定できます。

$ w3m https://example.com/
$ w3m local-file.html

-B を指定すれば栞を初期表示できます。ただし、あらかじめ、栞を追加して ~/.w3m/bookmark.html が作成されてゐる必要があります。

$ w3m -B

基本操作について

w3m のキー割當について、重要さうなものを説明します。完全な一覽は、H キーを押して表示される「w3m help page」で確認できます。

尚、w3m では、AltEsc で代用できます。

設定畫面について

個人的におすすめな設定を紹介します。

設定を變更するには、「o」で設定を開き、設定項目を變更した後、OK のボタンを選択して「Enter」します。

テキストエディターを指定 (ブックマーク編輯などに使用)
Editor を「nano -S」や「vim」に設定
履歴を無效化
Use URL history を「NO」に設定
Save URL history を「NO」に設定
HTTP header を Firefox 風に (お好みで)
User-Agent identification string を次の樣に設定
Mozilla/5.0 (Windows NT 10.0; rv:109.0) Gecko/20100101 Firefox/115.0
Accept-Language header を「en-US,en;q=0.5」に設定
Accept-Encoding header を「gzip, deflate」に設定
Accept header を次の樣に設定
text/html,application/xhtml+xml,application/xml;q=0.9,image/webp,*/*;q=0.8
尚、w3m の通信は HTTP 1.0 であるため、Firefox と完全には一致されられない
Referer を無效化
Suppress `Referer:' header を「YES」に設定
一部の domain でのみ Cookie を許可する
Enable cookie processing を「YES」に、
Accept cookies を「YES」に、
Domains to reject cookies from を「.」に、
Domains to accept cookies from を「example.com,www.gnu.org」の樣に設定
domain は「,」區切りで複數指定可能
罫線などをASCIIのみで表現する
Character type for border of table and menu を「ASCII」に設定

外部Viewerを設定する

HTML や text 以外の file を開くための外部の viewer は、~/.w3m/mailcap の file で指定します。この file が無ければ作成してください。

構文は「MIME_TYPE; COMMAND」です。COMMAND の内に書かれた「%s」は、一時保存された file の名に置換されます。改行することで複數の設定を記入できます。

例へば ~/.w3m/mailcap に次を記述すれば畫像が nsxiv で開かれます。

image/*; nsxiv %s

TorやI2Pに接續する

w3m で Tor や I2P に接續する方法を説明します。先に tor・torsocks・i2p の導入・設定を濟ませてください。

tor に接續するには、torsock 經由で w3m を起動します。

$ torsocks w3m -v

I2P に接續するには、option の http_proxy に、I2P daemon を動かしてゐる host・port を指定します (典型的には http://127.0.0.1:444/)。https に生の IP で接續されるのを避けるために、https_proxy にも同じ内容を設定すると良いでせう。

$ w3m -o http_proxy=http://127.0.0.1:4444/ -o https_proxy=http://127.0.0.1:4444/ -v

尚、option から http_proxy を設定した狀態で w3m を起動し、設定畫面を開くと、proxy 設定欄の内容が http_proxy の内容で上書きされます。ご注意ください。

Tor や I2P に接續するための alias を設定すると便利です。~/.kshrc などに次の内容を追記します。

alias tsw3m='torsocks w3m'
alias w3m-i2p='w3m -o http_proxy=http://127.0.0.1:4444/ -o https_proxy=http://127.0.0.1:4444/'

栞を管理する

w3m の栞 (bookmark) は、~/.w3m/bookmark.html といふ file に保存されます。

表示中の文書を栞に追加するには、「Alt+a」を入力します。

栞の一覽を表示するには「Shift+B」を押します。

w3m は、栞を登録した後で内容を修正したり削除したりする機能を持たず、~/.w3m/bookmark.html を直接編輯する必要があります。

栞を表示した狀態で「Alt+e」を押せば、栞を text editor で開いて編輯できます。

問題解決

文字化けする

w3m は文書の charset を自動判別できず、しばしば日本語が文字化けします。直し方はいくつかありますが、次の方法が簡單です。

  1. +」を押してInformation about current page を開く
  2. Document Charset を「Japanese (Shift_JIS, CP932)」や「Japanese (EUC-JP)」に變更
  3. Change のボタンを選択して「Enter」を押す

keymapに無い機能を設定變更無しで使ひたい

w3m の標準のキー割當では使用できない機能があります。「w3m help page」の中で、<NOT ASSIGNED> と書かれた物がそれです。

Alt+c」の後に機能名を大文字で入力すると、その機能を呼び出せます。

例へば、「Alt+c」の後に「SUBMIT」と入力して「Enter」を押すと、cursor の位置にある form を送信できます。これは送信ボタンの無い form で送信を行なふ時に必要です。

また、「CHARSET cp932」と入力すれば、現在の文書を cp932 で encoding されたものとして読み込み直します。

細かい注意點

參考

「w3m keymap」「w3m local CGI」などの文言で檢索すると色々な情報が見つかります。

關聯

奧附