Uim と Anthy を組み合せた日本語入力を説明します。Uim は IM (Input Method) です。Anthy は日本語變換をする軟件です (軟件… program)。ここでは X11 上の Uim を解説します。Terminal 上では uim-fep を使用することもできます。
尚、日本語入力や漢字變換の操作は説明せず、設定方法だけを説明します。
OpenBSD では doas pkg_add uim-gtk uim-gtk3 で導入できます。他の OS では導入するべき package の内訳が異なるかもしれません。
Uim による日本語入力を有効化するには ~/.xsession
の上部に次の記述を追加します (cwm などの window manager の起動より前に記述します)。
export XMODIFIERS=@im=uim
export UIM_CANDWIN_PROG=uim-candwin-gtk3
export GTK_IM_MODULE=uim
export QT_IM_MODULE=uim
/usr/local/libexec/uim-candwin-gtk3 &
uim-xim &
uim-toolbar-gtk3 &
uim-candwin-gtk3
および uim-toolbar-gtk3
の部分は、好みに應じて「gtk3」を「gtk」に變へた、uim-candwin-gtk
および uim-toolbar-gtk
にしてください。
尚、/usr/local/libexec/uim-candwin-gtk3
は、後述の XIM で變換候補を表示するために必要なものです。その path は OS により異なる可能性がありますから、find
などで探してください。
Uim を設定するため GUI として、uim-pref-gtk3
または uim-pref-gtk を利用できます。OS の言語設定が日本語でない場合、次の様に起動すると良いでせう。
$ LANG=ja_JP.UTF-8 uim-pref-gtk3
設定内容は、~/.uim.d/
の中に保存されます。それとは別に ~/.uim
といふ LISP の script に設定を書くこともできますが、その説明は省略します。
筆者の好みの設定を次に示します。
OS に他の IM (ibus など) が入つてゐない場合、GTK3 の軟件を起動すると、自動で uim-helper-server
といふ process が起動して、日本語入力が有效になります。
他の IM が入つてゐる場合は Uim を起動する樣に設定が必要になりますが、手順は調査できてゐません。
GTK2 の軟件で Uim を使用するには、前述の環境變數 (GTK_IM_MODULE) を指定する必要があります。
現在、GTK4 の軟件には Uim を使用できない樣です。
uim-xim は XIM といふ仕組みを採用した軟件 (例… XTerm、Dillo) で Uim を使用するためのものです。
uim-xim を使用するための設定は前の節『~/.xsessionの記述』および「UimやAnthyの設定」で既に記載してゐます。
Anthy の變換記録を file に殘さなくするには、次の command を入力します。ただし、Anthy を使用してゐる最中は學習が行はれます。學習そのものを停止する方法は調べられてゐません。
$ touch ~/.anthy/last-record1_default.utf8 $ touch ~/.anthy/last-record2_default.utf8 $ chmod 000 ~/.anthy/last-record*_default.utf8