タマキビ貝の『マッツン』がこの文書の公開日頃に亡くなったことを知りました (『登場する貝たちの紹介』 より)。
私はマッツンを直接見たわけではなく単なる読者に過ぎませんが、私にとってマッツンは人と巻貝とを繋ぎ多くのものを残してくれた存在であります。
以下本文です。
生き物について書くことに決めたきっかけは色々ありますが、最も大きいものは、令和六年の夏にあるブログを読んだことです。生き物についての最初の文章として、そのブログを紹介します。
『マッツン』草稿ブログ、それは平成二十八年に巻貝の飼育を始められた方のブログで、タマキビ貝の『マッツン』など多数の貝について飼育の記録があります。
飼主であるマッツンのヌシさんは巻貝に名前をつけ、ひとりびとり (匹、ではない) の個性をよく観察されます。そして旅行にも貝たちを連れていきます。
私も幼い頃から生き物が好きで、ブログを読んだその時も、タマキビ貝やスガイなどの巻貝を飼育中でした。が、マッツンのヌシさんと比べて生き物をぞんざいに扱ってきたことに気づき、生き物との接し方を改めました。
犬の猫など「家族の一員」とされる生き物と、巻貝などの小さな生き物との間には何の差も無い。言葉にすればわかることですが、今までの私は実践できませんでした。
生き物との接し方を改めた時、最初に生き物の種類や数を把握しました。今までは愚かなことに、海から生き物をつれてきて水槽に入れて、漠然する飼育するだけでした。それはよくないと感じ、生き物の数や、つれてきた日、死亡した日などを記録し始めました。
次に、巻貝のための容器を用意しました。貝はあまり動かず、知らない間に死亡することが多く、こまめな観察が必要だからです。最初にマルウズラタマキビを海から三個体つれてきて様子を見たところ、調子が良く見えたため、他の貝 -- タマキビ、アラレタマキビ、スガイ、イシダダミ -- も、同じ容器に入れました (その後、スガイとイシダダミは別の容器に移しましたが)。
記録をつけ、専用の容器で飼育したことにより、巻貝の飼育方法を細かく検証できる様になったし、何より彼らへの愛着が強くなりました (もちろん、他の生物に対しても)。
現時点でタマキビ貝の仲間の飼育は安定した状態です。スガイやイシダダミ貝も最初は沢山死亡しましたが、試行錯誤をした後、段々と安定してきました。
私は『マッツン』草稿ブログでタマキビ貝の飼育方法を学びました。大切に飼育される方の文章を読んだことで、巻貝の生存しやすさに繋がった気がします。そこで気づいたことは、タマキビ貝などの飼育の情報は web 上では殆ど見当たらないことです。
小さな巻貝は海で簡単に見つけることができ、飼育してみると様々な発見があり、日々の生活をより豊かにしてくれます。『マッツン』を通じてそれに気づきました。ですから私も同様に、巻貝の情報を書いて web で閲覧できる様にします。
巻貝を飼育されたい方や、潜在的に巻貝に興味のある方に、『マッツン』的な接し方や飼育方法が知られてほしいと感じます。