スガイ

スガイ (酢貝、スガヒ) はリュウテン科の巻貝。

[橙色のスガイ]
(野生個体)

殻は茶褐色で凹凸が多く、殻の蓋は半球形で分厚い。
腹足の後方に触角の様な突起が複数ある。
殻の表面には藻類やカキやフジツボがつきやすい。

スガイは岩や転石の多い所に棲息する。
水辺の小さな石を拾ってみると、かなりの割合で見つかる。
岩の隙間や壁のひび割れの中にもよく居る。

飼育環境

水槽 - 硝子の瓶
海水 - 水深 5 センチメートル程度入れる
底砂 - 棲息地の貝殻の欠片などをキッチンネットで包んで底に敷く
飾り - 藻類のついた小石やカキ殻など

底砂をキッチンネットで包むと掃除がしやすい。

餌は、焼き海苔を水でふやかして壁に張り付ける。
最初はなかなか餌を食べないため餌付けが重要。

飼育した感想

スガイは動きが遅く、のんびりとした印象を受ける。
水質の変化に敏感であり、餌をあまり食べず餓死しやすい。
そして普段の動きが緩やかだから体調不良に気づきにくい。
注意深く観察する必要がある。

エアレーションの有無による体調の差は感じられなかった。
水深を浅くして頻繁に換水すれば充分かもしれない。

スガイのゆったりとした仕草はとても愛らしい。
飼育すると気難しいところも含めて好きになる。

飼育記録

令和六年初夏、ヤドカリなどと一緒にスガイの飼育を試みた。
初めは全滅したが、続けて再挑戦した時は二個体が生き残った。
タマキビの飼育を始めてからは生き残ったスガイもタマキビの容器に移した。
この時の一個体は今も健在。(令和七年二月)

同年八月頃、ガンガラの仲間を飼育するためにエアレーションのある水槽を用意した。
スガイもガンガラの水槽に移した。

同年八月十七日、カイゴロモやフジツボのついた二個体を連れてきた。
片方は十一月に体調を崩したため死亡する前に元の場所に逃した。
(後で、生物を逃がすと環境破壊の恐れがあるとする意見を知った)
もう片方は暫く元気だったが令和七年の一月に死亡した。

同年十月二十日、一センチ程の小さなスガイ五個体を連れてきて飼育をはじめた。

同年十一月中頃、スガイの飼育方法を確立するために専用のボトル水槽での飼育を開始した。

令和七年の夏、飼育中のスガイが全て死んでしまった。

令和七年の十月頃、新たに三匹を採集してボトル水槽での飼育を再開した。

参考情報

スガイ | 市場魚貝類図鑑
スガイ: 潟見人の底生生物web図鑑2
スガイに着生するカイゴロモの謎に迫る
なぜ巻貝は殻に藻をつけるのか?ホスト巻貝の体温を安定させる藻類の保水機能
スガイがようやく新しいエサを食べてくれた!

奥付

『瀬戸内海の小さな生き物たち』目次
更新 令和七年十二月五日